模型を塗装する際に施工するマスキング法は、国やジャンル別に違ってくる。
今回は美プラに対してのマスキング考察の記事を書こうと思う。
内容は、エアブラシで塗装する際にパーツをマスクする方法にフォーカスを当てて書いています。
初心者がスキルアップするのに必要なノウハウから、テープの特徴や作業に役立つツールも紹介。
また、マスキングに関係が深い塗り分けのコツ、初心者用のノウハウもちょっとだけ書いていきたい。
筆塗り等のノウハウやコツに関しては、この記事には記載してません。
プラモデルのマスキングを考える
塗り分けやマスキングをする理由
プラモデルを製作していると、キットによっては塗り分けが必要なケースがあります。
塗り分け作業をエアブラシで行う場合、マスキングという工程が発生します。
マスキングとは、パーツ塗り分け等の際に塗りたくない部分をマスキングテープを使用してマスクする技法です。
基本はタミヤのケース入りテープ18mmをカットして使うことが多いです。
作業効率を上げる為、複数幅のマスキングテープも用意してるよ!
マスキング作業は道具と精度が大切
このマスキングというものは非常に面倒な作業。
然し、マスキングは塗り分け工程で最も重要な作業で、上手くマスキング出来るかが塗り分けの完成度に大きく影響します。
どんなに塗装が上手くてもマスキングが雑なら全て台無しという訳です。
パーツ形状に適したテープを上手に使うことによって、高いマスキング精度が生まれます。
プラモデルのマスキングは道具も大切ですが、技術が最も重要。
マスキングに必要な技術とは
マスキング技術というものについて、私はこう考えます。
- 何処にどの様な形でマスクするか計画性を持って作業できる能力
- 目標別に的確な道具を正確に選択できる判断力
- 細かく切ったテープを器用に繋ぎ合わせて精密マスキングできる
- テープの密着精度/貼り忘れなどミスらない集中力
仕事でもプライベートでも常に意識して作業するようにしてます。
マスキング道具の種類
マスキング道具にはテープ以外にシートや粘土まで沢山種類がある。
その中でも おすすめを紹介します。
一般的なマスキングテープ
セロテープみたいな形をしたマスキングテープ。
モデラーが使うマスキングテープの中で一般的な形状がこれです。
タミヤのマスキングテープはケース入りと詰め替え用の2パターンが売ってます。
代表的なのは6mm10mm18mmの3種類。
何故ケース入りなのかというと、テープの幅が劣化しにくいのとゴミ予防。
各サイズ専用に詰め替え用もあるのでコストパフォーマンスにも優れます。
素材がプラスチックなので接着剤とかシンナー溶剤に弱い。
詰め替え用を使い続ける内に、汚れて使い辛くなったら本体を買い替えるといい。
タミヤのマスキングテープには太いものも細いものもあります。
始めから細いタイプを使うメリットは、普通のマスキングテープを細くカットして使うより作業効率がいいことです。
太いマスキングテープはテンプレートを使ってテープを切り抜いて使うことを前提に使用。
私はスケールモデルで飛行機の翼に日の丸を塗装する際に50mmテープを使ってます。
1/32戦闘機の迷彩塗装になると、少ないテープ数で抜かないと正確な精度が出しにくいです!
曲線用
曲面用はメガミデバイスなどの細かい湾曲パーツに最適。(剣の束やバーニアなど)
殆どビニールテープだが、一般的なものより柔らかい。
故に柔軟性があるので曲面にも貼りやすい。
粘着力が弱いので剥がれやすい。
貼ったら速やかに塗装したほうがいいです。
マスキングシート
カット済みのシート状マスキングテープ
円形以外にも様々な形のマスキングシートがあります。
各メーカーの中でもハイキューパーツ製が高品質で使いやすい。
始めから専用シートを使えば、テンプレートで円をくり抜いて作るより効率がいい。
円をくり抜いた外側もマスキングで使うことが多い。
マスキングゾル
筆や爪楊枝でパーツに塗るタイプのマスキング液。
安価なマスキングゾルは、剥がすと青い色がパーツに残ることがあるので、高品質のものを使った方がいい。
マスキングゾルを筆で塗る場合、筆が痛むことが多いので高級筆は使わない方がいい。
マスキングパテ
マスキングパテは粘土状のマスク用品。
有名なものでAKinteractiveのマスキングパテなどがあります。
主に飛行機や戦車などの迷彩塗装を書くときに便利。
これを使えばテープでは難しい、立体感がある複雑な表面にもマスキングできます。
他にはブルータックという「引っ付き虫」に似たアイテムもある。
マスキングパテ同様に自由に形状を整えて立体的なマスキングが可能。
ブルータックはガムみたいにパーツを塗装の持ち手に固定したりする使い方もできる。
安いマスキングテープのメーカー
安く済ませたい人は建築塗装用のマスキングテープを箱買いするといいかも。
特に3Mのマスキングテープは高品質で値段も安い。
一般的な18mmテープで100円もしない。
低グレード品に気をつけろ
安いマスキングテープを使う場合、低グレード品は経年劣化で痛みやすいので注意。
質が悪いものは粘着糊がパーツに残ったり弱かったりするものもある。
マスキングテープの品質に関しては、次のことに注意して選定する必要があります。
このような低グレード品の使用には、4方向にカットして中心部分だけ使用するのがベター。
大量に使う消耗品なのでコストを下げたいですが、基礎となる道具なのでそれなりのものをお薦めします。
いきなり纏めて買うのではなく、最初は高くても1個単位で買ってみることが大切です。
あと、良い商品を見つけたら誰にも教えないことも大切です。
転売されて在庫が無くなるので。
マスキングテープ以外に必要なツール
私がマスキング作業に使っているツール類を紹介したい。
基本的なマスキングテープの貼り付けは、デザインナイフでカットしたものをピンセットで摘まみ、爪楊枝等で密着させます。
デザインナイフ
まず、デザインナイフは数本を使い分けてます。
- パーツに貼る前のマスキングテープに使う専用
- パーツに貼ったマスキングテープを上からなぞってカットする用
使い分けている理由は、デザインナイフの刃は常に新しい切れ味状態で使うのがベストだから。
そうすることでテープに引っ掛からずに綺麗にカットできます。
切り口が綺麗だとマスキングした境界線を綺麗に塗装できる。
綺麗なマスキングのコツは新しい刃でカットする
デザインナイフの刃は頻繁に取り換えるのでトップクラスの年間消耗品。
故に、少しでもコストが掛からない小型のものを使用してます。↓
ピンセット
ピンセットは先曲がりタイプの精密なものが作業効率が劇的に変化します。
タミヤ純正とか普通のピンセットだと、素早く正確に摘めないのでパーツを傷つけたり時間が掛かったりします。
私が長年愛用しているピンセットです。
マスキングを剥がす際にも精密ピンセットが効率が良く有効な手段。
テンプレート
マスキングテープをパーツの形状に合わせて事前にカットする時に使う定規。
殆どフリーハンドでカットしてますが、円形マスキングテープを作る時などに重宝してます。
テンプレート定規でカットすると、自作で円形マスキングテープができあがる。
デザインナイフを動かさないで、マットとテンプレートを回しながらカットするのがコツ。
マスキングテープのカット方法
パーツに直接貼ってカットする大技
モールドの彫り直しやスジ彫りなどをしてあるパーツは、マスキングテープを直接パーツに貼ってからカットするケースも多いです。
コツはデザインナイフの刃は基本新品を利用すること。
マスキングテープをカットする場合、新品時の刃の切れ味が重要。
少しでも切れ味が落ちたら、新品の刃に直ぐ取り替えます。
あと、照明で部屋を明るくして拡大鏡を使いながら作業すると精度も上がります。
ケチるな
切れ味の良い刃だからこそ、パーツに直接テープを貼って綺麗にカットできる。
マスキングに関するその他のノウハウ
私が経験で習得したマスキングする際のコツのようなノウハウを書いておきます。
1.マスキングテープ以外も使う
大きい面積のパーツには、パーツが入っていたビニール袋やプリンタの紙などをマスキングテープと併用してマスキングします。
マスキングする範囲は、手が滑ったりするミスによる万が一の食み出しを考慮してパーツ全体が理想。
パーツ全部をマスキング出来なくても、余裕をもって大き目にマスキングするのが鉄則です。
2.密着度は面よりテープの角を抑える
マスキングテープを貼る際に隙間ができることもあるので、爪楊枝等で確りと密着させます。
時間経過で隙間が開く事もあるので、塗装前にも再確認で密着させます。
万が一の塗膜剥がれのリスクを考慮して、広い面の密着度は緩くて構いません。重要なのはテープの角を確りとパーツに密着させます。
塗装前に再度、密着作業を繰り返すことです。
3.マスキングして何日も放置しない。
何日もマスキングテープを剥がさないと粘着剤がパーツに残ったりするので、マスキングしたら速やかに塗装作業した方がいいです。
私の場合、早くて塗装後の半乾き5~20分位でマスキングテープを剥がしますし、長くても1日以内にはテープを剥がします。
下地や塗装を確りしていたり厚く塗り過ぎてない場合は上記の時間で十分です。
早くテープを剝がすと塗装を持っていかれるのは、塗り過ぎや下処理を確りしてないのが原因。
塗り分けの必要ない最近のガンプラMG等でもマスキングして塗り分けることで完成度を大きく上げれるので、どんなキットでも塗り分けはおすすめ。
一手間加えて自分だけの作品を仕上てね!
一つのパーツを筆やエアブラシ等で複数の色で塗り分けること。
塗り分けを細かくしていると、色のバリエーションが増えて作品の完成度に大きく影響します。