日本のプラモデル事情と現実

プラモデル離れ

今日は日本のプラモデル事情にフォーカスして記事を書きます。

先日、以下のツイートをしました。

この業界に携わる仕事をして、約5年間で私が感じたことを記事にしたいと思います。

仕事上の実体験から、主に西欧州などの海外との比較になります。

日本のプラモデル離れが進む理由

日本のプラモデル離れが進む理由を、この業界でそれなりに稼がせてもらった経験から考えてみました。

国内のホビー関連の模型イベント会場には、年配のお方やおっさんばかりだし、今の日本の子供はプラモデルにあまり関心がないと思います。

まず、日本と海外でプラモデルを買う層の人が違うと思います。

  • 日本=プラモデルは大人の趣味。
  • 海外=プラモを作って遊ぶ子供が多い、もちろん大人もいる。

この辺の層が違う理由を、自分が見てきた経験を元に考察してみました。

日本の子供がプラモデルに関心がない理由

まずは、日本の子供達がプラモデルに関心がない理由は、以下の2つだと思います。

  1. 物作りに関心がない
  2. 遊びや玩具の種類が沢山ある

1に関しては、世の中全体が便利になった事が理由だと思います。

便利な生活になったので面倒なことは極力しなくなり、プラモデルを作る事は面倒臭いと感じるのではないでしょうか。

2について、近所の子供達とかは、小学生でスマホ片手に親のクレカの話ですよ。キックボードとかもやっているんですけど、話をしてもプラモデルってのは感じません。

うちのボスが子供の頃の話ですが、小学生くらいの年頃の男子は友達とプラモデルを作ったりしていたそうです。(ボスは積み木を卒業後はプラモだそうです。)

私が子供の頃は、プラモデルを作る友達もいたような気はしますが、今思い出せば、小学生=TVゲームという印象ですね。

振り返れば、私の小学生時代は毎日サッカーの練習をしていました。夜や雨の日などは家でゲームって感じですかね。

現代はスマホやYouTubeがあるし、ゲームや漫画も昔の何十倍も種類がありますよね。

資本主義の競争社会の中で人間が増えたせいで、新しいものが出るスピードが全体的に速く、新商品にとても追いつけません。

昔に比べて玩具は沢山溢れています。

ベイブレードやキックボードなど他にも沢山遊ぶ選択肢があります。

まあ、それが現代なので仕方ないですが、実際は子供達にはゲームよりもプラモデルを作って遊んで欲しいですよね。

子供たちにこそプラモデルを作って欲しい理由は、先日書いた記事「プラモデルを作るメリット」で補足してください。

日本のプラモデルはお金がかかる

プラモデルと聞いて、日本だと「お金のかかる趣味で大人の趣味である」という認識の人が多いのではないでしょうか。

実際にガンプラ等の売り上げは好調ですが、購入する殆どが大人であり、その価格も海外製スケールモデルと比べると割高です。

最近のメガミデバイスなんか最高額で云えばガンプラより安価ですが、1個10,000円近くするものもありますよね。

挙句の果てには高級工具ばかりが目立ち、魅力ある工具になるほど大変な金額。

とても子供が買える金額じゃないですよね。

私が子供だったら、500円位のガンプラを買ってきても5,000円のニッパーとか10,000円の限定版キットとか目に付くと、上手に作れるようになるまで将来的に続けられないと感じます。

日本と海外では販売戦略が違う

その背景の裏には、一部の老舗大手メーカーから新興メーカーまでもが、販売ターゲットを大人にフォーカスした販売戦略を行い続けています。

こういう大人をメインターゲットとする戦略は、結果的に子供のプラモデル離れを加速させる要因になっています。

故に、国内は既存ユーザーで支えている市場になっているので、若い新規ユーザー獲得は難しい。

その結果、若い人のプラモデル離れが進み、業界が年々縮小しているのだと思います。

販売戦略に関して、ここでは深堀りしませんが、海外で実際に行われている販売促進の戦略から以下2点は効果的だと感心しました。

  • キットや工具一式を無償提供するプラモ教室
  • 学校に寄付し授業にプラモデル制作を取り入れてもらう

渡航してビジネスしていると、こういう現場を実体験して視野が広くなるので面白いです。

ただ、設備や国の許可が必要だったり、厳しい日本では真似できない戦略が多いです。

昔作った船。今年は改修して風呂で浮かべるぞ!

海外のプラモデル事情

次に海外のプラモデル事情ということにフォーカスを当てて書きます。

まず、海外の子供もゲームは大好きですが、プラモデルに関係する日常光景が日本とはちょっと違う。

もちろん国によって違いますが、すごいセクシーな金髪お母さんが小さい子と一緒に買いにきたり(ウクライナ)、家族や兄弟でプラモデル屋に来たりする光景(イタリア、スペイン)が多々あります。

スキルを求められるイベントは日本と同じく大人がメインですが、子供達が多いプラモデルのイベントも沢山あります。(ドイツ、オランダ、イスラエル等)

まあ、海外の人は個性豊かで自己主張が上手なので、日本人より物作りが向いているのかも知れませんね。

ここら辺って厳しい競争社会である資本主義の中でも、国民性によって違いが出ているような気がします。

海外とか行くと、働くのは最低限で家族や友人との時間を過ごす、モノは必要なモノだけでいい。経済を回すって考え自体ないけれど「国を助ける」って行動して動く。

東南アジアじゃないですよ。スペイン、ドイツ、イタリアとかの話ですよ。

このブログはそういうブログでないので、あまり深掘りしませんが、その辺は日本は世界でも後進国だと思います。

日本も頑張って欲しいとは思う

ここまで日本の模型業界は縮小気味でダメなようなことを書いてきましたが、本心は頑張って欲しいと思ってますよ。

確かに国内を捨てて海外に移った身ですが、模型制作は好きでやっている仕事だし、タミヤなど素晴らしいメーカーさんには頑張って貰いたい。

メーカーも本当に長い目で儲けたい=流行らせたいなら、促進アニメや初心者スクール、特典で吊るよりも、製品の質を上げたり価格設定やサービスを見直すべきだと思います。

とにかく国内の市場は悪循環ですよね。

時間を掛けて良い商品を作ると、タミヤのように長い間売れ続けるヒット商品になります。

然し、 毎回の如く金型流用で適当にミックスさせたり色違いで販売を繰り返すと短期間しか売れない。

頻繁にリリースすればするほど次回作も売れなくなる(近い内に再び新作が出ると思うので買わなくなる)

もうちょっと発売する間隔を長くしていいから、ちゃんと設計した新商品が欲しいと思っているユーザーさん多いんじゃないでしょうかね。

日本のプラモデル事情についてまとめ

今回、私が感じた日本のプラモデル事情は以下の点が気になりました。

模型は素晴らしい趣味だと思うので、日本も業界全体が健全で活気付いてほしいと願っています。

  • 獲得済みファン層を主要ターゲットにしている
  • 若い人が入りやすい受け入れ環境がない
  • 高齢化

こういう記事はまた次回、機会があれば執筆します。