模型の接着剤と合せ目消しの話

模型の接着剤と合せ目消しの話

接着剤と合わせ目消し
中旬になってしまいましたが、工具関係の記事を今月も書きました。
今回は模型制作で使っている接着剤と合わせ目消しについて、自分が思っていることを書こうと思います。

先ずはプラモデル制作で使う接着剤。
接着剤は用途に合わせて様々なものが各社から発売されてます。
その中でも実際に使用してるものは下記です。

プラモデル用の接着剤
画像左から、
タミヤセメントの角ビン [87003] 流し込みタイプ [87037] 流し込みタイプ 速乾 [87182] ABS用 [87137]

通常のプラスチック(PS)には、タミヤの角瓶や流し込みタイプを使ってます。
ただ、材質がABS樹脂となると角瓶じゃ接着できません。
そこでABS用の接着剤を使うのですが、通常のABS接着剤はABSを溶かさないで溶剤が固まってプラスチック同士をくっ付ける程度の効果。
それだと瞬間接着剤を使った場合同様、後々に衝撃等で合せ目に亀裂が入るリスクが大変高いです。
故に合せ目を消す目的の場合は、ABS用接着剤は使わずに「流し込みタイプの速乾」ばかりを使用します。
速乾を使用する理由は、速乾に入っている成分がABS樹脂を溶かしてプラスチック同士を溶接できるためです。
クレオスの流し込み接着剤も同様の効果があるらしいです。

瞬間接着剤
メタルパーツや細かいパーツを接着するのに便利な瞬間接着剤。
瞬間接着剤は、WAVE OM-015 [瞬間接着剤 ×3L 低白化]に使い捨てノズルを付けて使ってます。
ノズルは使い捨てですが、狭い場所などをピンポイントで接着するのに大変便利。
特に塗装後の接着は絶対に食み出せないので、量が調節しやすいノズルは瞬間接着剤の必需品。

硬化促進剤 アルテコスプレー
瞬間接着剤の効果時間を早める硬化促進剤。
左はスプレータイプで、隣が塗る液体タイプ。
スプレータイプは容量の多い方が割安です。
硬化促進剤は瞬間接着剤にのみ効果があります。
スプレータイプは吹き付けた霧がパーツ周辺に散って塗膜を汚す可能性があるので、かける向きを計算するか塗装後のスプレータイプは控えた方がよいです。

クリアパーツ 接着剤
セメダイン CA-089 ハイグレード 20ml
メタルパーツやクリアパーツの接着に使用しているものです。
食み出した直後やある程度時間が経ってない場合なら、ピンセットや綿棒等で塗膜を傷めずに綺麗に拭き取れます。
乾燥後は透明で目立ちにくいです。
他にもエポキシ系の接着剤などもありますが、健康障害の問題で個人的にお勧めできないので今回は省きます。

■合わせ目消しについて
合わせ目消しの自分なりの方法やコツを記しておきます。

1,合わせ目消しはパーツ内部のクリアランスを十分調整した後に接着します。
合わせ目消しというのは基本プラスチックを溶かして溶接するので、パーツ間のクリアランスは狭くなります。
それを計算してクリアランス調整してから合わせ目消しをしないと、塗装してパーツを組み込んだ時に擦れて塗装剥げの原因になったり。

2,接着剤やパテは複数を使い分ける
合わせ目消しはパーツとパーツが合う箇所全てに接着剤を付けます。
広い箇所やパーツ内部のダボには角瓶で、狭い箇所や外側からは流し込みタイプでと分けて使えば綺麗に仕上がります。
塗ってからパーツ同士を重ねた時に2㎜位隙間を開けておいて、仕上げに流し込みタイプでもう一を塗布する感じ。
パーツ表面に出来た溝は瞬間接着剤やパテで埋めます。その際は削り易い柔らかめな素材が良いかも。

3,接着剤の付ける量
合わせ目消しをする場合の接着剤の量は、足りないよりも気持ち多い方が綺麗に接着できます。(パーツを合わせて力を入れた時に、外に1㎜程度食み出るくらい)
逆に足りないと後からパテを入れたりしないといけないので。
合わせ目消しはヤスリで仕上げが決まりますが、パーツ同士を確りと接着しないとヤスリ時の労力が増えます。

4,合せ目の乾燥時間
乾燥時間は接着剤が乾燥するとヒケができるので数日が間違いないですが、私の場合は乾燥機を挟んで乾燥時間1~3日程度とってます。
室温や湿度とか接着剤の量にもよるのでケースバイケ-スですが、長く時間を掛けて制作することに越したことはないですね。
然し、実際の合わせ目消しのコツは、乾燥時間よりも接着作業の質だと考えてます。
最近は合せ目の裏側に瞬間接着パテを入れたりして補強する合わせ目消しも行ってます。

なかなか文章じゃ上手く伝えきれないですが、合わせ目消しが綺麗にできなくて困っている方は「1つ1つの作業を丁寧確実」を考えてみると良いかも知れません。

■実際の合わせ目消し
以下画像でとあるキットのパーツを使って合わせ目消しをしました。
使ったパーツはガンプラの旧キットのトロピカルドムのバックパック等。

接着剤を塗って
1,パーツ同士を合わせる断面に接着剤を塗って塗って。
少な過ぎたり塗り過ぎたりしないように注意。

合わせて
2,断面の表面が接着剤で溶けかけたら、パーツを合わせて位置を決めて30秒ほど押さえておきます。
ある程度固まったら、合せ目に隙間がないか位置がずれてないか等を確認し、大丈夫そうなら乾燥の為に放置します。
接着剤がパーツの隙間から均等に1㎜位はみ出てると仕上げがやり易いです。
乾燥機などに入れるといいかも。

合せ目クリップ
クリップなどで挟むのも良いですが、挟む力が強すぎて傷付けたりズレたりしないように注意。

合せ目サフ前
3,乾燥したらヤスリで食み出た部分を削ります。
最初は金属ヤスリで仕上げに紙ヤスリが効率が良いです。
画像は金属ヤスリ800番相当で磨いた後に、サンドペーパー#400/#600/#800で仕上げました。
ヤスリのノウハウでも書きましたが、ヤスリはゆっくりと余り力を入れずに行うと真っ直ぐ水平にできます。

サフチェック
4,ヤスリ終えたらサフチェックして合せ目が消えたか確認します。
このとき、蛍光灯に透かしたり色々な角度から眺めて目視します。
可能ならパーツの裏もチェック。
合せ目や隙間が見えるようなら、削り直したりパテ等を盛ったりして再度ヤスリで修正します。
修正を繰り返すとサフでパーツに厚みが出るので、ある程度失敗するようなら周りのサフも均一になるように削ることをお勧めします。
慣れてきたら大体1~2回で成功します。
サフチェックで合せ目が綺麗に消えて、亀裂や隙間などの問題が無ければ塗装します。